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中小企業が避けたほうがいい
資金調達とは?

はじめに
中小企業にとって、資金調達は事業の成長や安定を維持するために欠かせない活動ですが、方法を誤ると経営に大きなダメージを与える可能性があります。本記事では、中小企業が避けるべき資金調達方法について具体例を交えながら解説します。
1. 無計画な借入を避ける
  • 問題点:
    無計画な借入をすると、返済負担が重くなり資金繰りを悪化させるリスクがあります。特に返済スケジュールを十分に検討せずに資金を調達すると、計画通りに返済できず、信用情報に悪影響を及ぼし、将来的な資金調達が困難になる可能性があります。
  • 具体例:
    ある製造業の中小企業が、新規顧客の大口注文を受けるために資金を工面したが、返済計画を立てずに借入を行ったため、売上が予想を下回ると返済に行き詰まった。その結果、追加の借入も難しく、経営が行き詰まった。
  • ポイント:
    借入を行う際には、返済計画を綿密に立てることが重要です。将来的な収入の見込みを現実的に評価し、無理のない返済スケジュールを立てましょう。また、資金繰り計画を事前に立て、必要以上の借入を避ける工夫も必要です。
2. 友人や家族からの借入に頼りすぎない
  • 問題点:
    友人や家族からの借入は、手続きが簡単で柔軟な条件で借りられることが多いため魅力的に見えます。しかし、返済が滞るとプライベートとビジネスの両方に影響を及ぼす危険性があります。
  • 具体例:
    飲食店を経営するあるオーナーが、店舗拡大のために家族から資金を借入。しかし、事業が思うように成長せず、返済を巡るトラブルが発生。家族間の信頼関係が損なわれ、最終的に事業と家庭の両方に悪影響を及ぼした。
  • ポイント:
    友人や家族から借入をする場合は、契約書を作成し、明確な返済条件を設定することが重要です。また、公的機関や銀行の融資を優先的に検討しましょう。
3. 怪しい出資の提案に乗らない
  • 問題点:
    高いリターンを約束するような出資の提案には注意が必要です。特に、詳細が不明瞭な投資案件や高いリスクを伴う出資は、事業資金を失う可能性があります。
  • 具体例:
    ITスタートアップの経営者が、匿名の投資家から「5倍のリターンを保証する」という話を持ちかけられ、会社の運転資金を全額投資。しかし、実際は投資詐欺であり、資金は戻らずに会社は破産を余儀なくされた。
  • ポイント:
    出資を受ける際には、必ず専門家に相談し、相手の信頼性を十分に確認することが重要です。怪しい話には安易に乗らない姿勢を貫きましょう。
4. 使途が不明確な借入
  • 問題点:
    借入の目的が明確でない場合、借りた資金を適切に活用できないリスクがあります。また、使途が不明確なまま資金調達を行うと、返済の目途が立たず、経営が不安定になる可能性があります。
  • 具体例:
    ある小売業の企業が「事業拡大」を理由に借入をしたが、具体的な計画がなく、資金の多くを広告や人件費に無計画に投入。結果として売上が伸びず、資金が枯渇してしまった。
  • ポイント:
    借入を行う前に、資金の使途を明確にし、具体的な事業計画を立てましょう。また、計画を実行しながら定期的に見直すことも大切です。
5. 過度な株式の希薄化
  • 問題点:
    株式を発行して資金を調達することは、中小企業にとって有効な手段ですが、過度に株式を発行すると、経営権が希薄化するリスクがあります。特に外部投資家の意向に左右されるようになると、自社の理念や戦略を貫けなくなる可能性があります。
  • 具体例:
    あるベンチャー企業が資金調達のために複数の投資家に株式を発行した結果、創業者の持ち株比率が10%未満に低下。投資家の意見が優先されるようになり、事業方針の変更を余儀なくされた。
  • ポイント:
    株式発行を行う際には、持ち株比率や投資家との契約条件を慎重に検討することが重要です。また、代替手段として融資や補助金の利用を検討しましょう。
6. 不要な高額設備投資
  • 問題点:
    事業の成長を見越して高額な設備投資を行うことがありますが、需要を過大に見積もると、多額の負債を抱えるリスクがあります。
  • 具体例:
    印刷業を営む企業が、新規市場を狙って高額な印刷機を購入。しかし、予想していた受注が得られず、設備費の返済が資金繰りを圧迫した。
  • ポイント:
    投資を行う前に市場調査を徹底し、設備が本当に必要か慎重に判断しましょう。リースや中古設備の活用も選択肢の一つです。
まとめ
中小企業にとって資金調達は事業に欠かせないものですが、誤った選択をすると経営を危機に陥れる可能性があります。本記事で紹介しました「避けるべき資金調達」を参考にリスクを回避し、持続可能な経営を目指しましょう。専門家や金融機関の助言を積極的に活用し、計画的な資金調達を行ってください。

制作日:2025年1月

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